会社の事業を行う上で、国や地方公共団体から補助金を受けることができます。
ここでは、補助金を受けたときの会計処理や、税金について簡単に説明します。
補助金とは
会社が国や地方公共団体の政策に合致した投資などを行う場合に、その投資に対して、国や地方公共団体から補助金を受け取ることができます。
例えば、設備投資や技術開発、商品開発などのために必要な経費が補助対象となることが多いです。
補助金を受けた場合の会計処理
例えば、建物を購入する際に補助金を受けることがあります。建物購入の補助金は額が大きくなることが多いです。
以下、仕訳を交えて解説します。
建物購入のための補助金100万円を受けた場合、会計上は「収益」として処理されます。
(現金預金)100万円 / (国庫補助金収入)100万円
補助金を収益として処理すると、利益が増え、税金が発生します。上記の仕訳では、国庫補助金収入という収益によって利益が増えます。例えば、この利益100万円に対して法人税が20%かかると、次のようになります。
100万円×20% = 20万円…20万円が税金として国に納付されます。
このように、100万円の補助金を受けても、20万円が税金として徴収されると、実質的には80万円の補助金となり、100万円の補助の意味が薄れます。
そこで、「圧縮記帳」という方法が認められています。
これは、補助金を受けて収益を計上した場合に、同額の費用を計上することを認めるものです。仕訳を以下のように表します。
(現金預金)100万円 / (国庫補助金収入)100万円
(建物圧縮損)100万円 / (建物)100万円
この方法により「国庫補助金収入100万円」の収益と同額の「建物圧縮損100万円」の費用を計上することで利益を0にし、税金も0にすることができ、補助金100万円を満額で受け取ることができます。
この圧縮記帳は会社の任意です。すなわち、採用しなくても構いません。
補助金と税金対策
納税は国民の義務であり、同時に企業は財政を健全に維持する責任も持っています。従って、法律が許容する範囲で税金の負担を最小限に抑え、企業の財務健全性を保つことが求められます。
補助金を受け取ると収益が増え、利益が上がるため税金が発生します。そのため、補助金を受け取る際には税務対策を施すことが、余分な支出を抑え、企業の財務を安定させることに繋がります。