決算と言えば年次決算が思い浮かびますが、では月次決算とはどういったものなのでしょうか?今回は月次決算についてあれこれと述べていきたいと思います。
月次決算とは
会社は毎年決算整理を行い、決算書を作成し、それを企業外部に提出報告します。これを年次決算と言います。
月次決算も年次決算と同じように、毎月決算整理を行い、月ごとの決算書などを作成します。
月次決算と年次決算の違い
年次決算は法律で義務付けられていますが、月次決算は法律で必須とされているわけではなく、行うか否かは会社の任意です。
月次決算のメリット
このように月次決算を行うか否かは会社の任意です。法的にやらなくていいことを行うのは面倒です。しかし多くの会社で月次決算が行われるのはメリットがあるからです。
①年次決算が楽になる
例えば、仮勘定の内容把握は、過去のものほど時間がかかります。年次決算で行うと手間が増えるし時間もかかるが、月次決算を行うことで年次決算の負担を軽減し、会計処理の間違いも早期に発見できます。これにより、経理担当者の業務効率が向上します。
「めんどくさいことはあらかじめ済ましておいて、後であわてないようにしよう」という感じでしょうか。
②金融機関から融資を受けやすくなる
金融機関は会社に融資を行う場合、その会社を調査した上で融資するか否かを判断します。その判断材料に月次決算書があれば、調査の期間が短くなって早めに融資を受けられることにつながります。
また、月次決算を行っていること自体が、金融機関からの心証を良くするため、融資を受けやすくなります。
③経営判断に役立てることができる
飛行機の操縦席に計器がなければ、安全なフライトは不可能であり、極めて危険です。
同様に、会社経営においても、月次決算を通じて経営状態を数値で把握しなければ、経営という飛行は非常に困難です。そのため、会社経営を安全に行い、目的地に確実に到達するためには、月次決算が非常に重要であると言えます。
例えば、利益が多額になりそうな場合、事前に節税対策を行うことができます。また、資金繰りの状況をタイムリーに把握できれば、融資を考慮した資金計画を立てることも容易になります。また月次決算により業績を把握することで、迅速かつ適切な経営対応が可能になります。
このように月次決算は経営判断に役立ちますが、そのためには経営者が数字を理解できなければなりません。つまり、経営者は決算書の数値を読み解くための最低限の簿記の知識は必要です。
このように、月次決算を活用することで、経営の舵取りがより確実なものになるのです。