相続税⑧(孫養子を利用した相続税の節税)

孫養子とは、孫を自分の子供にすることを言います。

孫養子は相続税を節税するためにとても有効な方法であります。

この孫養子による相続上のメリットデメリットを解説したいと思います。

孫養子

孫養子とは、祖父母が孫を養子にすることを言います。これにより、孫は祖父母の法定相続人になり、相続税の節税手法として有効です。

孫養子のメリット

孫養子のメリットは以下のとおりです。

・一代飛ばして相続できる
・法定相続人が増えることで、相続税の基礎控除額が増え、相続財産を減少させることができる
・法定相続人が増えることで、死亡保険金、死亡退職金の非課税枠を増やすことができる

・結果、相続税の適用税率を下げることができるため、相続税を安く抑えることができる

つまり、いずれも相続税の節税に役立ちます

一代飛ばして相続できる

通常、「親→子→孫」という順序で相続が行われ、各段階で相続税が課されます。しかし、孫を養子にすることで「親→孫」と一代飛ばしの相続が可能となり、相続税の節税に役立ちます。

法定相続人が増えることで、相続税の基礎控除額が増え、相続財産を減少させることができる

孫養子を法定相続人の数にカウントできるのは、実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人までです。

よって実子がいる場合は、養子1人まで法定相続人の数を増やすことができるので、1人孫養子にすることで、相続税の基礎控除額を600万円増やすことができます。

また、実子がいない場合は養子2人まで法定相続人の数を増やすことができるので、2人孫養子にすることで、相続税の基礎控除額を1200万円増やすことができます。

法定相続人が増えることで、死亡保険金、死亡退職金の非課税枠を増やすことができる

同じく、孫養子を法定相続人の数にカウントできるのは、実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人までです。

よって実子がいる場合は、養子1人まで法定相続人の数を増やすことができるので、1人孫養子にすることで、死亡保険金と死亡退職金の非課税枠をそれぞれ500万円ずつ増やすことができます。

また、実子がいない場合は養子2人まで法定相続人の数を増やすことができるので、2人孫養子にすることで、死亡保険金と死亡退職金の非課税枠をそれぞれ1000万円ずつ増やすことができます。

結果、相続税の適用税率を下げることができるため、相続税を安く抑えることができる

法定相続人の増加により、相続税の基礎控除額、死亡保険金、および死亡退職金の非課税枠が拡大し、結果として課税される財産の額が減少します。これにより、適用される税率が低くなり、相続税の負担が軽減されます。

要は孫養子は相続税の節税対策に利用できるということです。

孫養子のデメリット

孫養子のデメリットは以下のとおりです。

・孫養子が相続する場合、相続税が1,2倍になってしまう人がいる
・孫養子が増えるということは、その分だけ他の相続人の取り分が減少することを意味するため、相続トラブルの原因となる

孫養子が相続する場合、相続税が1,2倍になってしまう人がいる

孫養子が相続する場合、相続税が2割増しになる人とならない人がいる。

・相続税が2割増しにならない人

被相続人の一親等の人(配偶者、父母、子供)+代襲相続する孫

・相続税が2割増しになる人

被相続人の一親等以外の人(兄弟姉妹、甥、姪、代襲相続以外の孫、孫養子、友人、愛人など)

※2割増しするか否かの判断は「親等」で決めます。

イメージとしては(本人)に近い人が一親等となります。

孫養子が増えるということは、その分だけ他の相続人の取り分が減少することを意味するため、相続トラブルの原因となる

孫養子は相続税の節税に有効です。しかし、節税できるからといって安易に孫養子を迎えると、それによって相続上不利になる人がいるため、トラブルが起きやすいです。このようなこともきっちり考慮した上で、孫養子を迎えるか否かを決めるべきです。

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