消費税③「消費税の計算方法」

消費税

消費税は各事業者が生み出した付加価値に税率を掛けて求めることもできます。しかし、日本のおいては預かった消費税額から、支払った消費税額を差し引いて(仕入税額控除して)消費税額を求めます。

ここでは実際の消費税の計算方法を見ていきたいと思います。

国税と地方税

消費税の具体的な計算方法を見ていく前段階の知識として、消費税は国税と地方税から構成されていることをまずは押さえて下さい。

消費税(10%)→国税(7,8%)
     →地方税(2,2%)

ステップ1 預かった消費税国税の計算

消費税の計算は預かった消費税額から、支払った消費税額を控除して計算します。

ステップ1においてはまず、売ったときに預かった消費税額のうちの国税(7,8%)から計算します。

①課税売上高、すなわち税込みの売上高に100/110を乗じて税抜きの売上高を求め、千円未満を切り捨 てます。この切り捨てた後の金額を「課税標準」と言います。

  課税売上高(税込)×100/110=課税売上高(税抜)→千円未満切り捨て→課税標準

②課税標準に国税の7,8%を乗じて預かった消費税の内の国税分を求める(百円未満切捨て)

  課税標準×7,8%=預かった消費税(国税分)←百円未満切捨て

ステップ2 支払った消費税(国税分)の計算

続いて、仕入れたときに支払った消費税額のうちの国税(7,8%)を計算します。

①課税仕入高、すなわち税込みの仕入高に7,8/110を乗じて、支払った消費税額のうちの国税(7,8%)をダイレクトに計算します。

  課税仕入高(税込)×7,8/110=支払った消費税額(国税分)

この支払った消費税額は預けた消費税額からマイナスすることができます。よってこの支払った消費税額のことを「控除対象仕入税額」といいます。

ちなみに、支払った消費税額を計算するにあたっては、切捨てや四捨五入は行いません。これをしてしまうと消費税の納税額が増えてしまうため、納税者の心証が悪化するのを防ぐためでしょうか?

ステップ3 一年分の消費税額(国税分7,8%)を計算する

ステップ1で求めた預かった消費税額(国税分7,8%)からステップ2で求めた支払った消費税額(国税分7,8%)を差し引いて、一年分の消費税額(国税分7,8%)を求め、百円未満を切り捨てます。

預かった消費税額(国税分7,8%)-支払った消費税額(国税分7,8%)=一年分の消費税額(国税分  
                                  7,8%) 
                                   ↑
                                  百円未満切捨て

ステップ4 一年分の消費税額(地方税分2,2%)を計算する

地方税についてはダイレクトに計算します。

すなわち、ステップ3でもとめた一年分の消費税額(国税分7,8%)から一年分の消費税額(地方税分2,2%)を直接もとめ、百円未満を切り捨てます。

  一年分の消費税額(国税分7,8%)×22/78=一年分の消費税額(地方税分2,2%)
                             ↑
                          百円未満切捨て

国税の税率が7,8%で地方税の税率が2,2%なら、22/78を乗じることで地方税分を求めることができます。

ステップ5 確定申告で納める税額を計算する

一年間に納税すべき消費税額が計算出来たら、中間納付した分を差し引けば、納付すべき税額が計算できます。

  一年間の消費税額-中間納付額=納付すべき消費税額

正式には、国税分と地方税分を分けて計算します。

  一年分の消費税額(国税分7,8%)-中間納付額(国税分)
              +
  一年分の消費税額(地方税分2,2%)-中間納付額(地方税分)

まとめ

 簡単にまとめると以下のようなステップになります。

ステップ1 預かった消費税額(国税分)を求める

ステップ2 支払った消費税額(国税分)を求める

ステップ3 一年分の消費税額(国税分)を求める

   ステップ1 預かった消費税額(国税分)-ステップ2 支払った消費税額(国税分)

ステップ4 一年分の消費税額(地方税分)を求める

   ステップ3の金額×22/78

ステップ5 実際の納税額を計算する

   一年分の消費税額-中間納付額

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