世の中には様々な金利が存在します。預金金利、住宅ローン金利、市場金利と呼ばれるもの、etc、、、。
金利と言われても分かるようで分からない。何が分からないのかもわからない。こんな人は多いのではないでしょうか。僕もそのひとりなので、金利のことについて調べてみました。
金利の仕組みのことが大分わかったので、ここで説明していきたいと思います。
間違っていたら指摘してください。
金利の種類
世の中には様々な金利が存在します。挙げていけばキリがありませんので、いく
つか例をあげます。
銀行の預金金利・・・銀行に預けたときにもらえる利息の金利です
銀行の貸付金利・・・銀行が他者に貸し付ける際の金利です
社債の金利・・・会社が資金調達のために社債を発行するときに設定される金利です
住宅ローン金利・・・住宅ローンを設定するときの金利です
金利の変動要因
金利は、基本的に資金の需要と供給のバランスをもとに決まります。お金の量が一定であれば、資金を借りたい人が多いとき(=需要が高いとき)には金利は上がり、少ないときには下がります。これは金利が市場によって自由に設定されることを意味します。
一方で、金利は政策的にも調整されます。これは日本銀行による金融政策の一環です。
金利変動の要因は2つ
・市場において自由に設定される金利
・日銀が金融政策を通じて調整する金利
金利を完全に市場に任せると不都合が生じ、経済が滞る可能性があるため、日銀が政策的に金利を調整します。
上に示した様々な金利は、この2つの要因で変動します。
日銀の金融政策
市場において自由に設定される金利は特に説明の必要はないと思います。しかし、日銀が金融政策を通じて行う金利の調整については、日銀の金融政策が何なのか分からなければ理解できません。そこで、日銀の金融政策について見ていこうと思います。
日銀の金融政策
・政策金利の調整
・公開市場操作
✔政策金利の調整
日銀と市中銀行はお金の貸し借りをしています。この金利を調整することを「政策金利」の調整と言い、日銀が行います。
政策金利の調整で日本経済をコントロールできます。
経済が過熱している場合
日銀が市中銀行に貸し出す金利を上げると、市中銀行は日銀からお金を借りにくくなり、市場に出回るお金が減ります。これにより、売買が抑制され、経済が落ち着きます。また、お金の価値が上がり、資産の価値が下がるため、デフレが起こりやすくなります。
経済が低迷している場合
日銀が市中銀行に貸し出す金利を下げると、市中銀行は日銀からお金を借りやすくなり、市場に出回るお金が増えます。これにより、売買が活性化し、経済が元気になります。また、お金の価値が下がり、資産の価値が上がるため、インフレが起こりやすくなります。
✔公開市場操作
日銀は金融市場で流通している国債その他の債権の売買を行って日本経済をコントロールします。これを公開市場操作と言います。
経済が過熱している場合
日本経済が過熱して市場に沢山のお金が流通している場合、日銀は市場(上記の図では市中銀行)に国債を売却して、その対価として通貨を受領します。そうすると、市場に流通しているお金が減って過熱した経済を鎮静化します。これが金融の引き締めです。
経済が低迷している場合
日本経済が低迷して市場にお金が流通していない場合、日銀は市場(上記の図では市中銀行)から国債を買い上げて対価として通貨を供給します。そうすると、市場に流通するお金が増えて経済を活性化させます。これが金融緩和です。
日銀の金融政策が及ぼす金利への影響
このように、日銀の金融政策には「政策金利の調整」と「公開市場操作」があります。どちらも日本経済を安定化させるのが目的です。
これらの政策は、その副作用として市場に存在する様々な金利に影響を与えます。
過熱した経済を鎮静化するために金融政策を行った場合
この場合、市場に流通するお金の量が減少します。市中銀行内のお金が減ると様々な金利に影響を及ぼします。
・貸出金利の上昇・・・市中銀行は資金が少なくなるため、貸出金利を上げて利益を確保しようとします。
住宅ローン金利も上昇します。・預金金利の上昇・・・市中銀行は資金を集めるため、預金金利を上げます。
・国債や社債の価格の下落・・・貸出金利の上昇に伴い、国債や社債の金利も上昇します。過去に発行され
た金利の低い国債や社債の価格は下落します。…など
低迷した経済を活性化するために金融政策を行った場合
この場合、市場に流通するお金の量が増えます。市中銀行内のお金が増えると様々な金利に影響を及ぼします。
・貸出金利の上昇・・・市中銀行は資金が多くなるため、貸出金利を下げても利益の確保が可能です。
住宅ローン金利も低くなります。・預金金利の下落・・・市中銀行は資金が潤沢であるため、国民から資金を確保する必要性が薄れ、預金
金利が下落します。・国債や社債の価格の上昇・・・貸出金利の下落に伴い、国債や社債の金利も下落します。過去に発行され
た金利の高い国債や社債の価格は上昇します。…など
金利が上がると債券価格(国債や社債の価格)が下落する理由
債権の価格はそのときの金利などに大きく影響されます。
例えば、同じ5年の固定利付国債で、利子が2%のものと3%のものがあり、購入価格が同じなら、間違いなく3%のものを買うはずです。
では、利子2%の国債を持っていて、現金化のために売りたいと思います。そのときの国債の金利が3%なら、勝った価格で売れないことは分かると思います。
つまり、利子が低い分、販売価格を下げなければ売れません。
逆に利子2%の国債を持っていて、現金化したいときの国債の利子が1%なら、利子が余計にもらえる分、高い販売価格で売れます。
このように金利と債券価格は反対に動くのです。
・金利が上がると、債券価格は下がる
・金利が下がると、債券価格は上がる
これは一般的な法則です。
金利を理解して損なく立ち回る
世の中には数え切れないほどの金利が存在し、多くは日本銀行の金融政策に大きく影響されます。
我々は、自分たちに関連する金利を特定し、それに基づいて賢い戦略を立てるべきです。
金利の動きを予測するためには、日本銀行の金融政策を理解することが重要です。
日本銀行の金融政策は公開されており(金融政策 : 日本銀行 Bank of Japan (boj.or.jp))、これを利用して金利を予測し、損失を避ける戦略を練るべきです。
日銀のホームページより引用
金融政策運営の基本方針は、日本銀行政策委員会の「金融政策決定会合」とよばれる会合で決定します。会合では、金融経済情勢に関する検討を行うとともに、金融市場調節方針や当面の金融政策の運営方針を決定し、決定した内容は直ちに公表しています。ここで決定された金融市場調節方針に従って、日本銀行では日々の金融調節の金額や方法を決定し、資金の供給や吸収を行っています。